白書に見る非正規労働者の増大と今後(三浦和夫のNewsWatching Vol.165)

2011712

 2011年度版労働経済白書がこのほど公表され、新聞各紙が報道しています。
 8日付朝日新聞夕刊によると、「バブル崩壊後に就職活動した世代のうち、1970年代後半生まれの『ポスト団塊ジュニア世代』が非正規社員のままでいる割合が高い。前後の世代より正社員への転換が緩やかで、安定した仕事を得づらくなっている」(松浦祐子記者)と書いています。

 私はこの記事を読んで、確かに、正社員化に関して世代間に狭間は生じていますが、日本経済の長期的な不安定を考慮に入れると、企業側の正規社員採用指向は今なお慎重です。結果として、非正規化率は増えることはあっても減少に転ずるのは難しいのではないか、と思っています。むしろ、それをある程度流れとして認めたうえで、効果的な雇用対策を講じるほうが適正ではないのか、と感じています。

 当該朝日記事は、世代ごとに、働き始めてから年をとるにつれて、非正規社員の比率がどう推移しているかを男性で調べています。
 それによると、「『ポスト』世代は、社会に出る時期が90年代後半の就職氷河期と重なり、20~24歳時の非正規社員比率は16.9%と高かった。その後も不況や企業の新卒志向の根強さで、30~34歳(09年時点)になっても13.3%とあまり下がっていない」、さらに、

 「70年代前半生まれの『団塊ジュニア世代』は入社時の90年代前半の雇用環境は厳しかったが、非正規社員比率は20~24歳時点で9.3%。35~39歳(09年)には7.5%に改善した。80年代前半生まれは、20~24歳時点の非正規社員比率は26.6%と高かったが、25~29歳(09年)には半減し、大幅に改善している」――。

 改善したのは、当時の世論や雇用対策がある程度浸透した結果だと推察しますが、時代の趨勢(すうせい)として正社員化が果たして促進するかは疑問が残るところです。

 厚生労働省は6月23日、「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」の第一回会合(座長、樋口美雄・慶大商学部長)を開きました。非正規労働者数が増大する傾向をとらえて、雇用の安定や処遇の改善に向けて横断的な議論を行い、公正な待遇確保に必要な「非正規雇用ビジョン」(仮称)を策定するのが目的だそうです。

 どこまで公正化が図れるか今後の会合の成り行きを注視しなければなりませんが、非正規労働者の増大を念頭に置いた政策研究のほうが意味を持つでしょう。

 労働者派遣法改正案は今の国会の状況を考えると、不透明が続いています。
 「『製造派遣の原則禁止』と『登録型派遣の原則禁止』を取り下げるので、改正案を採決してほしい」と、野党に対して政府側が打診しているとも聞いていますが、「日雇い派遣の原則禁止の撤回はどうした?」と言いたいところです。
 もしも再改正案の作成が必要となれば、非正規労働者の待遇改善に関する規制が何らか加わる可能性はあるでしょう。

(完)

平成23年度 第4回 通常総会

日 時  平成23年5月27日(金) 16:00~

場 所  金沢スカイホテル 18F(研修室) 金沢市武蔵町15-1

< 議案 >

■ 第1号 議案 22年度事業報告・22年度収支決算・損益計算書・賃借対照表・損失処理案および監査報告決定の件

■ 第2号 議案 23年度事業計画・および収支予算決定の件

■ 第3号 議案 借入金残高の最高限度額決定の件

■ 第4号 議案 経費の賦課徴収方法決定の件

■ 第5号 議案 役員報酬決定の件

■ 第6号 議案 役員(監事)補欠の件

以上が議案となります。ぜひご参加くださいませ。

NW定期購読のお願いとご案内

株式会社オピニオン
代表 三浦 和夫
2010年10月吉日

 

謹啓
 すっかり秋めいてまいりましたが、その後お元気でいらっしゃいますか?
 私は、相変わらず元気に頑張っております。

 5-7月に開催した時局講演会では大変お世話になり感謝しております。お陰様というか、その後の政局が一変して、改正労働者派遣法案は継続審議となり、10月1日から始まった臨時国会でどのような取扱いとなるかは不明ですが、薄明かりが見え始めました。
 細川律夫厚生労働大臣は10月1日の記者会見で、「(修正は)今は考えていないが、国会でどう対応するか、与党とも相談して考えていく余地はある」と述べるなど、法案審議の先行きに含みを持たせた発言をしています。
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労政審傍聴レポート(News@ステーション 11/20)

労政審傍聴レポート(第2回)果たして年末結審可能か?
こんにちは、急に寒くなりました。お元気ですか?
((社)日本翻訳協会 派遣法Q&Aジャーナルからの抜粋です。)

厚労省のホームページにはやっと10月7日の第63回労働政策審議会職業安定分科
会議事録が掲載されました。
「派遣法Q&Aジャーナル」では前回同様、SBSスタッフ㈱の小川さんが、引続
き11月13日の労政審職業安定分科会の傍聴レポートを送ってくださいました。
早速ご紹介いたします。
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労政審傍聴レポート(News@ステーション 11/6)

さて、下記は厚生労働省の『労働政策審議会職業安定分科会』の傍聴レポートです。
((社)日本翻訳協会 派遣法Q&Aジャーナルからの抜粋です。)

SBSスタッフ小川さんの【第136回労働政策審議会職業安定分科会】傍聴レポート

小川さんは、SBSスタッフ株式会社の埼玉西支店長として活躍なさっている若手のホープです。
http://www.sbs-staff.co.jp/

小川さんは、実にしっかりしたレポートを書いてくださいました。それだけでなく第3者の目として
共同通信社ニュースを資料につけているのもさすがです。

昨年の政府改正案の目玉は、「日雇い派遣の禁止」でした。
「登録型派遣と製造業務派遣については「そもそも禁止する必要があるのか」という原点まで戻
ってしまったのではないかという気がします。
不況下にあること等を理由に労使双方の意見が全く平行線のまま、長期化する可能性も考えら
れるのではないでしょうか」とういうのが傍聴なさった小川さんの感想です。
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